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たばこの問題

たばこと健康の問題

8.ニコチン依存症について

喫煙習慣をやめがたいのは、程度の差はあるものの、ヘロインやコカインなどの麻薬と同様、ニコチンに身体的依存性があるためです。
これらの薬物は人間が生きるために本来持っている脳の報酬回路に働いて、無為に快感を与えます。
この快感はまったく努力を必要とせずに報酬として与えられるので、何度も何度も身体が薬物を要求するようになってしまうのです。
また最近は神経科学の発達によりたばこを吸う人の脳の機能になんらかの変化が生じることが知られてきました。
つまりニコチンの場合軽度ではあるものの、多くの麻薬など他の依存性物質と同様、精神毒性が認められます。
アメリカ精神医学会から出されたDSM-IVという診断基準では一覧表に精神毒性のある薬物として記載されています。
喫煙習慣をやめられない方はニコチン依存症である可能性が高いため、禁煙外来のある医療機関でニコチン製剤を使用しプログラムに則ったニコチン代替療法を受けることにより喫煙習慣から離脱することが可能です。
治療は通常、ニコチンパッチを用いて行われます。
喫煙の代わりにニコチンだけを皮膚から吸収させ、一ヶ月後から段階的に減量して約二ヶ月後にはニコチン依存から脱却させます。
たいへん楽に喫煙習慣から脱却できますので、止められなくて困っている方はぜひ受診されることをお勧めします。
また平成18年4月より施設基準を満たす医療機関の禁煙外来ではニコチン依存症治療の一部に健康保険が適応され、従来より若干経済的な負担が軽くなる場合があります。
元来、我が国の保険制度では、予防医療においては健康保険が適応されませんでしたが、禁煙治療の場合、ニコチン依存症という疾患の治療であるという考えに変わってきた事を示しています。
多くの喫煙者がニコチン依存症の治療を受け、喫煙習慣から離脱できれば本人のみならず、周囲の人たちの健康を守る事にもつながり、中長期的には増大する国民医療費に歯止めをかけることができるのではないかと期待されます。