アニサキス症にご注意!!

最近垂水区医師会メーリングリストではアニサキス症が話題になっています。
アニサキス症とは寄生虫疾患の一種でいきのいい魚(特に鯖)を食べることにより虫体が体内に入り
それが胃粘膜に噛み付き強い痛みを起こします。

おいしい新鮮なシメ鯖を食べその後で強い胃痛が起こった時には速やかに医師の診察をお受け下さい

病名 主訴、症状 寄生部位 診断法 治療法 感染様式 虫の特徴
アニサキス症 腹痛、悪心、嘔吐 胃粘膜、小腸粘膜下 魚類生食歴
胃内視鏡
好酸球増加
胃内視鏡に
よる虫体摘出
コンバントリン
経口、魚の生食 長さ
30から37mm
直径1.4mm


藤原 克昌
10月12日午前10時頃、いつもは奥さんに薬だけ取りに来させる60過ぎの小企業の
社長が上腹部をおさえて診察室に入ってきた。
今朝から胃が痛いといいう。昨夜なに食べた?寿司をとって食べました。サバを食べたやろ。
はい。朝から何も食べていないことを幸いに、早速楢林先生に電話した。
アニサキスと思う。すぐにGFで見てくれと無理矢理押し付けた。こんな時同級生は助かる。
診察を続けるうちに12時を過ぎたころ、彼から「居った居った」という電話があった。
3センチ位の幼虫がCARDIAにいたということで後でポラロイド写真も届いた。
寄生虫のテキストや特集のジャーナルなど日頃整理が悪いので探しようもないが、
こんな時INは強力な味方になる。寄生虫のページが沢山あってしかも充実している。
私も酒飲みでよくすし屋に行く。特に、所謂ひかりものが好きで、サバやアジは日常茶飯事。
特に親友がいる大分に行くと関アジ関サバを刺し身でよく食べる。
料理人にもよるのだろうが、考えるとぞっとする。虫体は60℃以上、-20℃以下で死ぬが、
酸には強いと書いてある。

村中です。
藤原先生の第6感に拍手!
私も以前、内科から胃痛を訴えて紹介された中年の女性の内視鏡で
アニサキスを発見し、バイオプシー鉗子で掴まえ摘出したことがあります。
 分厚い胃粘膜にぶら下がるようにして食いついていましたが、あんな
小さな虫なのに症状(胃痛)が、それにしてはきついなあーと思った
覚えがあります。

アニサキス、怖いですね。私も17、8年ほど前に大分医大病院におりましてリスク
は承知で何度か鯖の刺身を食べました。地元では豊後ふぐ、城下かれい、関あじに並
ぶ代表的な海の味でこれが実に甘くて油が乗って美味しいもので一度食べたら忘れら
れないものです。鯖は傷みやすいため新鮮なもののみが生食されるわけで、したがっ
て中にいる虫も元気なんでしょうね。よく被害に会わなかったものだと思います。
近く大分に行く予定ですがもし鯖の刺身が出たらどうしようかと考えています。恐ら
く良く観察して注意?して食べるでしょう。
胃の中に入って来たアニサキスを殺すような薬はないのでしょうね。予防的に服用し
て腹一杯安心して食べれるような。
     食いしん坊を代表して   中村治正

私も本日(10/19)アニサキス症を経験しました。
 一人暮らしの女性の方で、昨日、近くのスーパーで「今日は入ったばかりの生き
のいいサバがある。刺身にしたら美味しい。」と言われ、新しいだけに値段も少し
高かったようですが、それを買って自分で酢にしめて、食べたということでした。
 そしたら、夜中に突然、吐き気や嘔吐を伴う激しい上腹部痛に襲われ、救急車を
呼ぼうかとも思ったが、明け方には少しましになったので、けさ当院へ来られました。
 念のため異物鉗子を用意して内視鏡をしましたが、胃体中部前壁の粘膜に食い込
んでいる虫体を生検鉗子で摘出できました。患者さんに見せると「こんな小さいものが」
と言ってびっくりしていました。
 「新しい鯖はもう買わない」と言っておられましたが、火を通せば大丈夫と
言ってなぐさめておきました。
 アニサキス症はこれで3例目ですが、以前はいづれも勤務医の時で、ひさしぶりの
経験でした。なおこの鯖は垂水漁港から入ったもので、瀬戸内
(塩屋沖?or 淡路近海?)のものと思われます。
                       生方 享司

このアニサキスさん,ほっておくと どうなるのでしょうか?  
                      江草

 江草先生、さすが鋭い質問でした。ほっておいても自然に治癒するのなら、何も
しなくても良いのでは?という意味に取りましたが。
 アニサキスが人体に入ってからどうなるのかと、調べてみようと思いましたが、
寄生虫学の教科書はすでにありません。メルク・マニュアルにもアニサキス症の項
目はありませんでした。欧米では魚を生食する習慣がないために、載っていないの
でしょう。
 手元のハンドブック的な本を調べると、皮膚幼虫移行症といって、アニサキスの
幼虫が皮膚に移行して蕁麻疹様の皮疹をおこすことがある、また小腸を破って急性
腹膜炎を起こすこともあるようです。これらは当然まれなものかもしれません。
 しかし、キリで刺すような鋭い間欠的な痛みと患者さんが言われていましたが、
それが簡単な処置であっと言う間に治り、患者さんから感謝されるのですから(外
科と違って内科ではこういう経験は少ない)、まあ治療のしがいはあるのかな、と
思います。蛇足ですが、冷凍物の鯖などではアニサキス症は起こらないようです
(低温で死滅する)。
                            生方 享司

11月27日(金)、とうとうアニサキスにめぐり合うことができました。はじめてで
興奮しました。今までその日のうちに、胃カメラをしなかったためでしょうか。
大きさは1X30mmぐらいでした。取り出すともう動きませんでした。まもなく
活動を停止するところだったのかな。
                           江草

先日来、アニサキス症が話題になっていますので、本院の症例を少し探してみました。
手元ですぐに検索できる範囲ということで、平成7年から今日まで4例を数えまます。
  H8 10/14、 H9  ナシ、 H10  5/22、8/31  
   症例が少ないので何とも言えませんが、季節的な要因はなさそうですね。
年間内視鏡症例が約500件ですので発生率もかなり低いようです。
 激しい心寡部痛、嘔吐で下痢等を伴わない場合はAGMLを疑って緊急内視鏡
をしてみると、NSAIDの服用既往がなければアニサキスに遭遇するチャンスが
あると思います。しかし、食事をした患者さんだと鏡体が詰まることを覚悟で
ヒヤヒヤものです(なにしろ電子内視鏡は一本しかありませんから。)
患者には悪いですが発見したときは、正直言って嬉しいですね。
看護婦も「ヤッター!」といって大喜びします。
 小生の印象では虫体は全例、胃角より上部に食らいついてニョロニョロ
とゆらめくように(そんなに優雅なものではありませんが)動いています。
しかもたいていは複数、2〜3匹認めます。今年8月の症例はECJより
約1・位のところに2匹いて摘出に往生しました。昔、俳優の森繁久弥は
このアニサキスが小腸に食いついてイレウスを起こし、緊急手術で
小腸切除術を受けたはずです。15〜16年ぐらい昔の話で、その時は
「そんなこともあるのかなー?」と思ったのを記憶しています。
 ちなみに、先生方はどのように摘出されていらっしゃいますか?
1匹の時は生検鉗子で挟んで鏡体ごと抜去して回収しますが、複数の
場合はどのようにしたら良いのでしょうか。8月の症例は2匹とも
回収したかったので、内視鏡を2回挿入する羽目になりました。普段は
生検鉗子で引き抜いて、最後の1匹だけを証拠として回収しているの
ですが、うまい方法があったらお教えください。
 しかし、ケロッとして帰っていった患者がその後、再診で
来ることはありません。もう、二度とこんな目にはあいたくないという
思いが強いのか、うっかり再診を指示するのを忘れる小生が悪いのか、
それとも、医者としての小生の不徳の致すところなのでしょうか?
           川 進浩(川 胃腸科外科)               
  655-0044神戸市垂水区舞子坂3-16-12
   078-781-1838  ・ 078-785-0954

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